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平成24年 社長訓示

お知らせ

2012.01.10

社員各位

「人生をかけた仕事」
(平成24年の新春を迎えるにあたって)

 新年明けましておめでとうございます。
 平成24年の新春を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。
 昨年3月11日、観測史上最大規模の大地震が日本列島を襲いました。この大震災は大津波や原発事故の人的、物的被害のみならず、日本人の心に深い傷を負わせることになりました。未だ、復興への確かな道筋見えて来ないまま、日本経済にとっては、今なお余震が続いていると言えるでしょう。しかしこれは、世界的にも原子力エネルギーを見直すきっかけとなり、2011年は歴史的転換の年となると言われています。
 またやらせメール問題、損失隠し、特別背任容疑などの大企業の企業倫理を問われる問題が多数浮き彫りになりました。企業統治の重要性を改めて認識することになり、襟を正さなければならないと痛感させられる年ともなりました。
 一方、九州の財界では、新幹線鹿児島ルートが全線開業し、当社は数箇所でこの関連事業に携わったことから、感慨深いものがありました。またスポーツ界では、九州の福岡ソフトバンクホークスの日本一、“なでしこジャパン”がワールドカップで初優勝し、暗いムードにあった日本国民を勇気づけることができました。
 建設業界は、更に困窮を極める経営を強いられると考えられます。当社がこれまで得意としてきた大型の工事が減少し、小規模の工事を数多く受注せざるを得ない状態となってきました。 その結果、顧客の数が増え、工種や体制も多岐に渡っています。その中で当社が競争に生き抜いていくには、全社員が自らの業務を限定する事無く、視野を広く持ち、幅広い分野の業務の一端を担い、個々の能力を最大限に発揮して頂かなければなりません。それが当社の課題であり、組織的な改革の実践であり、この苦境を乗り越える鍵となっています。

*****人生をかけた仕事*****

 昨年2011年アップル社のCEOであったスティーブ・ジョブズ氏が逝去されました。「iPad」の製品発表の際の少年のようなキラキラした輝きやスマートさ、彼の製品への情熱が痛い程伝わる、あのプレゼンテーション方法は記憶に新しいと思います。
 彼の言葉は、粗々しく、解りにくいところもありますが、哲学を貫いていて無駄がなく、モノの本質を突くその言葉は大変、魅力的であります。
 彼の言葉をまとめた著書「スティーブ・ジョブズ全発言 世界を動かした142の言葉」(PHP ビジネス新書・桑原晃弥 著)から、私の心に残った幾つかの言葉をご紹介します。

 スティーブ・ジョブズ 世界を動かした142の言葉より抜粋
 1976年21才の若さで、アップル社を起業したスティーブ・ジョブズ氏。アップルコンピュータが大ヒットするが、30才でアップル社を追放される。CG映画を手がけるピクサーの経営を手がける。ディズニーとも提携をする。41才でアップルに復帰、「i Mac」が大ブーム。「i Tunes」、「i Pod」等次々とヒット商品を送り出す。2011年56歳でアップルCEOを辞任。10月5日逝去。

 1.「ベルは、電話を発明する前に市場調査など、したか?」
 新製品の開発では、市場調査が優先されがちだが、そこから生まれるものは「今よりちょっといいもの」であって、「ものすごくいいもの」は生まれない。もしまだ自動車が夢の時代に「乗り物に何を望むか」と市場調査したら「もっと早い馬が欲しい」という答えが返ってくるに違いない。

2.「どの車も移動という意味ではやることは同じだ。でも多くの人がBMWに高いお金を払う」
 ジョブズを追放後、アップル社は、ビジネス市場でたくさんのコンピュータを売ることを追及していた。マッキントッシュは確かに、クールだ(お洒落でカッコいい)が、マック・ファンが買うのは一人1台だ。企業にまとめ買いしてもらうほうが効率的だと考えたのだ。しかしそこに求められるのはクールさではなく安さだ。多少高くても買いたくなる製品をつくることがアップルの強みだ。アップルに復帰したジョブズは、ビジネス市場への参入を全面否定した。アップルの原点は個人向けにある。

3.「アップルが勝つために、マイクロソフトを負かさなければならないとしたら、アップルは負けることになる。」
 ジョブズはアップルに復帰して見事に会社を復活させるが、マイクロソフトのシェアを奪ったからではない。
 …目指したのは相手を倒すことではない。自分たちは、どういう会社なのか、何を作るべきかを追求する中で、優れた製品を生み、成長を遂げたのだ。

4.「多くの企業は優れた人材を抱えている。最終的にはそれを束ねる重力の様なものが必要になる。」
たくさんの優秀な人がいるのに、トップがそれを理解せず、それを活かせないことが我慢ならなかった。ジョブズは自分が「重力」になるにはどうあるべきかを深く考え始めた。

5.「100人以上の事業部を動かす気はない」
ジョブズは大きな組織よりも小さな組織を好む。規模が大きくなると中間管理職が生まれ、創造性が発揮できなくなる。だからアップルが大きくなれば、小さなグループを作って、そこで創造性を発揮すればいいと考えていた。

6.「好きだと、心の底から思い込め」
ジョブズがこんなことを言っていた。「仕事を好きだと心の底から思い込め。でなければやり遂げる甲斐がない。…仕事が嫌いだったり、意味を理解していなかったりしたら、バカバカしくてこんなこと、やってられない。」

7.「即戦力になるような人材なんて存在しない。だから育てるんだ。」
ピクサーのCEOになったジョブズは言う。人を育てず、アイディアだけを金を出して、買うハリウッドの安易なやり方に対して、「我々は、10年をかけ、クリエイティブな人材とテクニカルな人材を育ててきた。外部から気軽に調達できるものじゃないんだ。・・・だから育てるんだ」

この言葉を私なりに簡単な言葉で解釈すると、
1.「まずは自分自身の目的を持つこと」、
2.「魅力的なものを作れば、高くても、人は買ってくれる」、
3.「ライバルと戦うのではなくて、自分の生き方を正しく選択する」、
4.「的確なリーダーシップを発揮する」、
5.「組織をうまく動かす」、
6.「情熱を持つこと」、
7.「人を育てること」
 全てそう変わった発想ではないと思います。彼の素晴らしいことは、多岐にわたる分野をバランス良く見る目を持ち合わせていて、それを貫く情熱が凄く強かったことだと思います。
 彼は、元来、天才ではなく、自分の仕事を人生そのものとして、情熱をもって取り組み、苦労を繰り返して、磨かれて大きくなっていったのだと思います。彼は、まずは択一した技術者になり、そしてキュートな芸術家でもあった、また情熱を持った経営者となっていき、哲学者のような  信念を持ち合わせた。そして魅力的な人間であったと、私は思います。 

 競争が益々激化するこの現代社会において、我々が今、努力するべきことは、幅広い視野を持ち、遂行すべき業務の最終到達点を視野に入れて、あらゆるプロセスを頭に入れて、業務に取り組んでいただきたい。
 一番重要なことは、今の自分の仕事に情熱を持って、打ち込めるかであります。情熱が持てなくなったら、直ちに止めたほうがいい。この厳しい競争の時代、優しく手を差し伸べて助けて  くれる人は誰一人いない。彼が言うように心の底から仕事が好きだと思い込み、人生をかけて、この仕事に打ち込んで頂きたい。そうすれば成し遂げたときに、心の底から感動をすることが 出来るはずであり、人生をかける価値があるものになるのであります。  

 *** 結び ***

 昨年の今年の漢字は、“絆”が選ばれました。東日本大震災の発生で、思いやりや助け合う心、人と人との繋がりを大切にする事を連想させる漢字が上位を占めました。日本国民が忘れかけていた思いを再認識することになりました。
 会社は人で成り立っています。壁に当たって挫けることもあるでしょう、どうすればいいか先が見えなくこともあるでしょう。しかし会社には仲間もいます。顧客からの厚い信頼も実績もあります。この「人」との繋がりを大切にする会社であり続けることが今後の難局を乗り越えるために、最も重要なことだと思います。
 本年も非常に厳しい経営環境が続くことが予想されますが当社の経営理念に掲げる“信頼”される人となり、会社が共に成長するために皆様方のご尽力とご協力をお願い致します。
 本年も、社員の皆さんとご家族皆様が、ご健康で幸多き一年でありますよう、ご祈念申し上げ、結びの言葉とさせていただきます。

 

平成24年1月4日

株式会社塩月工業
代表取締役社長塩月啓司

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