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平成26年 社長訓示

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2014.01.06

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社員各位

「日本型の新資本主義社会の形成」
(平成26年の新春を迎えるにあたって)

 みなさん、新年明けましておめでとうございます。

 平成26年の新春を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。

 昨年は7月に行われた参議院選挙での自民党圧勝により、ねじれ国会が解消され、本来の与党としての活動に拍車が掛かってきました。その政策の一つとして、消費増税による経済への影響が懸念される中、政府は5兆円規模の新たな経済対策の策定も発表しています。

 またプロ野球界では田中将大投手の30連勝等の活躍もあって、東北楽天イーグルスが初の日本一となり、震災復興が足踏みする中、被災地の方々に勇気と希望を与えました。その他にも7月には「富士山」の世界文化遺産登録が決定し9月には2020年の夏季オリンピックの開催都市が56年ぶりに東京に決定するなど明るい話題も多く見られたように思います。

 昨今の建設業界では、社会保険未加入問題に端を発した労務費の高騰、労務者の不足、資機材の不足が深刻化しています。当社においても例外なく人材確保と協力会社の新規開拓について早急に対応しなければなりません。

 本年の工事状況は、やはり小規模の現場が多数を占め、新規の顧客も増加していきます。更に、施工エリアが広範囲に分散することで、より無駄の無い現場管理が必要であり、コミュニケーション能力が重要な課題となります。社内はもちろんですが顧客や協力会社とのコミュニケーションに関して上手く機能しているか常に自分自身と第三者の確認を受けて業務に従事する必要があります。

***** 日本人の誇り *****

 先日、九州大学の精神科医をなさっている神庭重信教授の「なぜ若者は鬱になるのか」というお話を聞きました。教授の考えは次のような趣旨でした。

 日本の高度成長を支えたのは「滅私奉公の精神」でありました。つまり日本人の精神の根底にある集団主義、家族主義の考え方によって戦後の復興を成し遂げたというわけです。戦後、日本経済が復興するにつれて西欧のグローバリゼーションの波が押し寄せます。バブル期には「消費は善である」「個人主義,能力主義」などの考え方が主流を占めるようになってきました。これらは、西欧の狩猟民族の考え方であり、横へのスライドが自由、つまり失敗すると別の場所へすぐ移動することを考える民族です。日本人は元来、農耕民族であり、長きに渡り、同じ場所で生活をして集団を重んじる民族です。この日本人らしい集団主義の文化の中へ表面上だけの西欧文化の個人主義、能力主義の考え方が混ざることで異常な行動が生まれてくるといいます。そして、これは個人が失敗した時や間違った言動をした時に、顕著に異常な動きが表れてきます。集団は、責任を個人に擦りつけ、自分さえ良ければいいという責任逃れの論法で、個人を叩き潰してしまう。足の引っ張り合いが続き、究極は責任を取ることを恐れて、個人は、初めから何もしなくなるという社会全体が恐ろしい状態になるのです。

 社会へ出る前の日本の子供達は、中途半端に西欧化された日本の学校教育を受け、物余りで情報過多の中、家の中では若干、過保護な状態で成長をしていきます。それが社会に出ると、突然、責任を擦り付け合う異常な社会へ送り込まれていくのです。そのギャップを埋めることができず、自分で考えて行動することも、適応することもできず、逃げ場を失い、鬱病になるというのです。

 また数学者の藤原正彦氏は、「日本人の誇り」(文春新書)という著書の中でこう訴えています、『個よりも公、金よりも徳、競争よりも和を重んじる日本国民の精神は文明至上、世界に冠たる尊きものであった。その忘れかけた日本人の誇り、素晴らしき日本文明を取り戻さなければならない…』 皮肉なことに、あの東日本大震災の時に世界中から賞賛を浴びた日本の被災地のみなさんの「利他の精神」は日本人の心の中に確実に息づいています。だからこそ新たなカタチで、この素晴らしい日本文明を取り戻していかなければなりません。

 神庭教授は『必ず日本的で新しい資本主義の形が生まれるはずだ』と言われています。「西欧的な競争社会であっても、和を保ち、徳を忘れず、組織を重んじる資本主義社会。失敗しても組織で助け合い、復活できる社会。そんな新しい日本的な資本主義の形成が近い将来実現できるはずである」と。

 私は今、企業に求められている姿は、まさにこの新たなカタチであるのではないかと思います。日本古来の武士道の精神を保ち、この厳しい競争社会で生き抜いていける新しい企業の倫理観、そして経営者と従業員との固い絆を美しい姿で再構築していかなければならないと思っています。

*** 結び ***

 2014年 今年の干支は甲午(きのえうま)です。甲(きのえ)は10干の1番最初で午(うま)は十二支の7番目にあたり、この年は吉運とされていて程よく平穏を保てる年になるといわれます。大きな仕事に限らず、小さな仕事でも等しく協力し合い個人の考えだけではなく相互の助け合いによって、これまでに無い新しいイメージで良い方向へと向かうとされています。

 本年も「力強く信頼される(人)企業」の経営理念の下に社員の皆さんの力を結集し共に助け合い、新たな歴史を築き上げ、喜びを共有することを目標に努力をして頂くこと、その結果、ご家族の皆様も共に健康で幸多き一年になりますことをご祈念申し上げ、結びの言葉とさせて頂きます。

株式会社塩月工業
代表取締役社長 塩月啓司

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