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平成30年 社長訓示

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2018.01.04

 平成30年1月4日

社員各位

「すべての人を活かす!」
  (平成30年新春を迎えるにあたって)

 社員のみなさん、新年明けましておめでとうございます。平成30年の新春を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。
 昨年は7月に九州北部地方を猛烈な雨が襲い、多数の死傷者及び被災者がでました。当社としては、被災された方々にお見舞いを申し上げると共に、被害の大きかった朝倉市に災害復旧の一助になればと、小額ではありますが寄付をさせて頂きました。これからも出来る限りの支援をさせて頂きたいと思っています。
 昨年は製造業の大企業で不祥事が多発しました。無資格者による完成検査が発覚や検査データの改ざんが次々と明らかになり、日本企業の何が変化したのか、その体質が問われる事態となりました。一方で、大企業を中心に好決算ラッシュに湧き、21年ぶりに日経平均株価が22,000円を突破する等、黒字決算が相次ぎました。
 政界では、安倍首相が国難突破解散と銘打ち消費税の使い道と北朝鮮問題への対応について、国民に信を問いたいと衆議院の解散総選挙を行い、結果、野党側の連携がうまく行かず、自民党が圧勝する事となりました。また天皇陛下の退位を実現する特例法が成立し、12月に開かれた皇室会議で、2019年4月30日退位、5月1日皇太子さま即位・改元の日程が固まりました。
 明るい話題では14歳でプロ入りした将棋の最年少棋士、藤井聡太四段が30年ぶりに公式戦29連勝の新記録を達成し、将棋ブームを巻き起こしまし た。陸上100メートルでは桐生選手が日本人で初めて10秒の壁を破る9秒98の新記録を樹立し、地元福岡では、ソフトバンクホークスがリーグ戦から圧倒的な強さを見せ、日本一に返り咲きしました。

 弊社についてですが、いよいよ都市土木の構築工事が本格化し、非常に危険度が高くなっていきます。施工エリアも九州・沖縄の広範囲になっていきます。各所長は自らの現場はもちろんのこと、広い視野を持って、本社と現場及び現場間での連携を深め、組織的に運営することが重要になります。
 まずは、現場で着実な実績を残すことによって顧客に熱い信頼を勝ち取ること、その結果は会社にとって、次の受注に最も力強い営業となっていきます。顧客の信頼を勝ち取るには、何を求められているのか、本質をしっかり掴み、現場のリーダーとして何をしなければならないか、会社として、どう対応しなければならないか、組織的に考え行動することが重要であると考えています。

***** すべての人を活かす!*****

 昨年、私はある顧客の本社にて、元・東レの重役で、現在、経営コンサル業を営まれ、本の執筆等の事業を手掛けておられる佐々木常夫さんという方の講演を聞く機会を頂きました。この方の企業人としての経験のお話を聞き、改めて組織の運営におけるリーダーの重要性とその繊細さを教えられました。
 彼の著書「リーダーという生き方」(WAVE出版)から少し引用させて頂きます。

 世間では「2:6:2の法則」とよく言われる。職場で優秀な人は2割、6割の人が普通の人、残りの2割が“落ちこぼれ”というわけだ。確かに現実の職場を見渡せば、ほぼそういう構成になっている。そこで勘違いする管理職がいる。“落ちこぼれ”の職員を異動させ、優秀な人材を獲得しようとするのだ。しかし、そんなことをしても強い組織を作り上げることは出来ない。新たな「2:6:2」がまた形成されるだけの事である。2割の落ちこぼれを育てもせず、手放そうとする管理職は「リーダー不適格」と言わざるを得ない。優秀な部下こそ手放し、落ちこぼれの人材を育て上げるのが真のリーダーである。そのサイクルが廻ってこそ、強い組織が形成されていく。そもそも人間の能力は、それほど大きな差があるわけではない。落ちこぼれを育てようとするリーダーがいる職場は、おしなべて士気が高い。リーダーが部下を見捨てないという信頼感を共有するからである。そして同僚同志が競争し、お互いに支え合って、職場全体で成果を勝ち取ろうという気運が生まれる。だからこそ、 ― 「すべての人を活かす!」 これがリーダーの基本なのだ。(以上 引用)

 組織の中でかみ合わない人は色んなタイプがいます。技術を持っていても熱意がない者、ヤル気はあるが不器用な者、人間関係が上手く保てない者など、様々です。我々、建設業界では生死を分けるような危険な仕事が多々あります。現場では、犠牲を払って、人を育てる事が困難な場合もあります。しかしリーダーの考え方ひとつで適材適所を作り出すことは出来るはずであります。リーダーによる‛心ある教育‘によって、人は変わり得る。役に立たない人材と決めつけるのは、思い込みや偏見です。リーダーの志によって、何かのきっかけを得て、人は化けることがある。人は必ず変わることが出来る。そして組織が大きく動き出すのです。

***  結び  ***

 昨年、社会問題となった日本相撲協会と当事者間のやり取り、リニア事業の大手ゼネコンと特捜、公取、発注者とのやり取り等、浅はかな知識しかないキャスターやコメンテーターによって興味本位に、あたかも視聴者の代弁をするかのように、思い付きの報道を繰り返すマスコミに違和感を覚えてなりません。その過程で向けられた矛先は、時の流れと共にどうでもよくなり、当事者は思わぬ力によって、思ってもみない方向に引っ張り出されていくことに恐怖さえも感じます。
 日本の社会はリーダーが不在なのか、過去の事例やその場しのぎで作った法律によっての判断しか出来ないのか、情報過多の世の中に押しつぶされてしまったのか。法律を遵守することは当たり前の事であります。その上で、人として人間として何が正しいのか、目の前で起こっている事象の本質をしっかりと見極めて、英断を下すことが出来るリーダーが存在しなければならない。
 私はそんな組織に、会社に、ならなくてはならないと、決意を新たにしたところであります。

 本年も「力強く信頼される(人)企業へ」 の経営理念のもとに、社員とご家族の皆様が、健康で安全な一年を無事過ごせますようご祈念申し上げ、結びの言葉とさせていただきます。

株式会社塩月工業
代表取締役社長 塩月啓司

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